2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機-無機相互作用を利用した不斉多孔質無機材料の創製と応用
Project/Area Number |
20037023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横井 俊之 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 助教 (00401125)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 不斉多孔質無機材 / メソポーラスシリカ / キラルシリカ |
Research Abstract |
キラルなアミノ酸誘導体型界面活性剤であるN-miristoyl-L-alanine(以後、C14-L-AlaAと表記)を鋳型に用い、Si(OEt)_4(TEOS)と_3(MeO)SiCH_2CH_2CH_2N^+Me_3Cr^-(TMAPS)の混合物を用いることにキラルメソポーラスシリカ(CMS)が合成できる。CMSの粒子はロッド状の粒子がねじれた形態であるが、C14-L-AlaAを用いると右巻き粒子 : 左巻き粒子=30:70の割合で得られ、逆にC14-D-AlaAを用いると右巻き粒子 : 左巻き粒子=70:30の割合で得られる。この材料は不均一系不斉触媒・吸着剤としての応用が期待できる。 H20年度において、CMSを合成し、吸着カラムクロマトグラフィーを行い、不斉吸着剤としての応用を検討した。その結果、吸着質として用いたN-trifluoroacetylalanine ethyl esterのラセミ体(TEA-DL-Ala-OEt)に対して、左巻き過剰粒子のCMSはTFA-D-Ala-OEtとより相互作用をした。一方、右巻き過剰粒子のCMSはTFA-L-Ala-OEtとより相互作用をするという結果が得られた。すなわち、CMSは光学分割能を示したといえる。エナンチオマー過剰率は現段階ではわずかな値しか得られていないが、左巻き粒子と右巻き粒子とで逆の選択性を示しており、確かに光学分割能を有していることがわかり、CMSの不斉吸着剤としての応用の可能性を示すことができた。
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Research Products
(3 results)