2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 哲晶 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (30374698)
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Keywords | ホスフィン配位子 / デンドリマー / 協奏機能 / パラジウム / 鈴木-宮浦反応 |
Research Abstract |
本研究課題では,「コア型機能化タイプ」と「外表面機能化タイプ」の2つを組み合わせたデンドリマー触媒を標的化合物とした新規デンドリマー触媒の開発を目的とした.このデンドリマーの外表面修飾官能基としてテトラエチレングリコール(TEG)に着目した. TEGのようなポリエーテル類は, 水溶性の非イオン性界面活性剤として知られている. また, これら分子群は酸素原子の孤立電子対を利用して金属カチオンと錯体を形成し, 相関移動触媒として機能することも分かっている.中心金属への直接的な相互作用に加えカチオンの取り込み効果による新たな機能の発現を狙い,TEG鎖を組み込んだデンドリマーホスフィン配位子を設計した. 柔軟なTEG鎖の比較として長鎖アルキル基を導入した配位子も設計し, デンドリマー効果ならびに鎖の質の効果に着目した. これら配位子の機能を, パラジウム触媒による鈴木-宮浦カップリング反応で検討した. 4-クロロトルエンとフェニルボロン酸との反応において, TEG部位を有するデンドリマー配位子が非常に高い活性を示すことが分かった. 一方, デンドリマーの分岐を持たない配位子では低収率に留まった. 興味深いことに, 長鎖アルキル基のみをもつ配位子では反応が殆ど進行しないことが分かった. 種々の比較実験の結果, ホスフィン配位子上にTEG鎖がデンドリマー型に保持されていることが極めて重要であることを明らかにした.
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