2008 Fiscal Year Annual Research Report
協奏機能型π共役系マルチメタリック触媒システムの創製と応用
Project/Area Number |
20037044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨夜 徹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20397615)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / π共役系高分子 / π共役系分子 / レドックス / 酸化 / 環境調和 / デンドリマー / 自己集積化 |
Research Abstract |
遷移金属とπ共役系(高)分子が協奏的に機能すれば、新しい触媒システムの創製が期待できる。本研究では、金属ナノ粒子-π共役系高分子からなる触媒システムおよび光活性π共役系分子からなる集積化レドックスシステムの創製と応用を目指し研究に取り組んだ。 まず、水溶性のポリアニリンスルホン酸と金ナノ粒子による環境調和型触媒システムの構築と触媒機能について検討した。ポリ(2-メトキシアニリン-5-スルホン酸)(PMAS)のホウ酸緩衝水溶液中、ヒドラジンで処理することにより還元した。この溶液に塩化金(III)酸ナトリウムを室温にて加え、金イオンを還元しPMAS/金ナノ粒子を合成した。この粒子を透過型顕微鏡で観察したところ、平均粒子径が約13nmの比較的分散性の高い粒子が一様に見られた。合成したPMAS/金ナノ粒子を用い、水溶液中、分子状酸素を酸化剤とする触媒的酸化反応を検討した。ベンズヒドロールを基質として用い、5モル%のPMAS/金ナノ粒子の存在下、pH9のホウ酸緩衝水溶液中、酸素雰囲気下、80℃で反応させたところ、1時間で対応するケトンが定量的に得られた。 光レドックス機能を有するオリゴアニリン二鎖型亜鉛ポルフィリンのデンドリマー型配位錯体システム構築を目指し、末端にピリジル基を有するオリゴアニリン二本鎖ポルフィリンを合成した。ポルフィリン中心に亜鉛を導入することで、ピリジル基と亜鉛(II)の錯形成による自己集積化したデンドリマーが形成された。マイカ基板表面でのデンドリマー化を原子間力顕微鏡を用いて調べたところ、デンドリマーに特徴的な形状の粒子が一様に観察された。 新しい協奏機能型触媒システムとして位置づけられると考えられる。
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Research Products
(8 results)