2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 茂 Osaka University, 太陽エネルギー化学研究センター, 准教授 (40312417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 隆史 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 技術職員 (00379314)
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Keywords | 無機工業化学 / ユアーシェル / 光触媒 / 選択性 / 多孔体 / 酸化チタン / シリカ / 空隙 |
Research Abstract |
光触媒反応に反応物選択性をもたせる方法として、非表面積の大きな吸着剤等に酸化チタンを分散担持させる方法、光触媒表面を多孔質のシリカで被覆する方法や表面に有機基や配位子を導入する方法などが提案されている。しかし、いずれの場合でも、元の光触媒がもつ活性が大きく低下し、有効な手法ではない。本研究では、光触媒を多孔質の中空シリカ粒子に内包させた新奇コアーシェル型構造体を新たな光触媒の形態として提案する。これまでの検討で、市販酸化チタンをコア光触媒とするコアーシェル型構造の合成に成功し、これが多孔質シリカシェル層を通過できる程度のサイズをもついくつかの分子を選択的に反応(酸化分解)させること、その活性が元の光触媒と比べまったく低下しないことなどを確認している。ここでは、細孔径、素材、コアの光触媒材料に対するサイズなどのシェル構造の制御と、これに合わせたコア光触媒材料の設計、選択を行うことで、「新奇コアーシェル型光触媒」を精密合成する。さらに、有機汚染物質のサイズ選択的分解反応など、さまざまな系での光触媒機能と特性を評価、検証する。これらによって、多孔性シェル、空隙部に形成されるナノサイズ空間反応場、コアの光触媒作用の3つの機能が協奏的に作用する新しい光触媒反応系を構築することを目指す。 本年度は、シリカシェル部の厚さ、中空部分のサイズなどを精密に制御したコアー中空シェル構造の作製と、これらの気相系光触媒反応における活性評価を中心に検討を行った。その結果、中空部分の存在が高い活性の発現に必要であること、シリカシェルによる反応物の拡散が抑制されていることなどが明らかになった。また、反応物の種類によっては、シリカシェルによる濃縮効果の結果、元の酸化チタンよりも高い光触媒活性を示すことを見出した。
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