2008 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属クラスター触媒の原子レベル接合効果による協奏機能発現の理論的解明
Project/Area Number |
20037048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥村 光隆 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (40356712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 貴資 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30321748)
北河 康隆 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60362612)
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Keywords | ヘテロ接合 / 低次元細孔 / ナノ構造 / 貴金属 / クラスター |
Research Abstract |
貴金属クラスター触媒系では、たとえ用いる貴金属の種類が同じでも担体の種類を変えることによって大きく触媒活性が変化することがある。このような効果は一般的には担体の特性変化によって触媒活性が変化するということがもっとも単純な説明である。それに対して担体が同じであっても担持する超微粒子のサイズや形状が変化することによっても触媒特性の変化が発現する。この効果は、超微粒子の形状が変化することによって担体との接合状態が変化するときには、ヘテロ接合効果と呼ばれている。そこでヘテロ接合効果の解明の理論的研究を行った。モデルとしては水垣らのPd-デンドリマー触媒を検討した。この系は、あるパラジウムクラスターをデンドリマー内に内包させクラスターの凝集を抑制させ、サイズを制御すると液相部分水素化反応に対して著しい触媒活性の増大が観測されることが報告されているものである。理論計算から、Pdクラスター自身は、サイズが変化しても水素分子解離活性にはあまり変化がないことが明らかになった。さらに、デンドリマーが吸着したPdクラスターの水素吸着特性も大きな変化がないことが明らかになった。しかし、デンドリマーはクラスターとのヘテロ接合により、電荷移動相互作用が生じ、Pdクラスターがベアなクラスターよりも負に帯電することが明らかになった。このことから、デンドリマーは単純にPdクラスターのサイズ変化を抑制するだけでなく、アニオニックなPdクラスターを創製し、吸着有機分子の活性化を促進している可能性があることが明らかになった。
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Research Products
(9 results)