2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037051
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (20304165)
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Keywords | バナジウム錯体触媒 / オレフィン重合 / オレフィンメタセシス / アルキリデン錯体 / アルキル錯体 / 開環メタセシス重合 / 構造解析 / 有機金属化学 |
Research Abstract |
本課題は従来のオレフィンの配位重合触媒やメタセシス触媒で達成できない、高機能有機材料の創製を可能とする高性能分子触媒の創出を主目的とする。特に期間内は5価のバナジウム錯体に注目し、オレフィンの配位・挿入やメタセシス反応の鍵中間体である金属-アルキル、アルキリデン錯体の合成・反応性に関する研究を通じ、高性能触媒の設計・創製を目的とする。平成20年度の成果は以下の通りである。 アリールイミド配位子を有するバナジウム-トリアルキル錯体を合成・同定し、各種アルコールやフェノールとの反応により、対応するジアルキル錯体の合成・同定手法を確立した。 既に合成・同定したアリールイミド配位子及びケチミド配位子を有するバナジウム-アルキリデン錯体を用いて、各種不飽和化合物との反応を検討した。この錯体はニトリルとの反応で、いったんメタラサイクルを形成した後に開環したイミド錯体を与えた。なお生成錯体の選択性は使用するニトリルの立体効果により支配された。また、ジフェニルアセチレンとの反応ではメタラシクロブテン錯体を与え、スチレンとの反応ではアルキリデン間での反応によりいったん3価錯体が形成した後、スチレンの付加によりメタラシクロプロパン錯体を与えることを明らかにした。 アダマンチルイミド配位子、及び非対称型のモノアニオン性キレート配位子であるアルコキソ(イミノ)ピリジン配位子を有するバナジウムジジアルキル錯体とアルコールとの反応を詳細に検討し、いったんピリジンとイミンの解離を伴ってアルコールの酸素が配位した錯体を生成・経由して、最終的にアルコキソ錯体を与えることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)