2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体模倣ビルドアップ型ヘリックス2次構造による協奏不斉触媒の創製
Project/Area Number |
20037054
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 正一 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00227175)
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Keywords | ヘリックス / 環状アミノ酸 / 2次構造 / ペプチド触媒 / 不斉エポキシ化反応 / フオールドマー / 協奏触媒 / 不斉触媒 |
Research Abstract |
生体模倣ヘリカル2次構造を配座自由度制限環状ジ置換アミノ酸より設計・合成し、そのヘリックス2次構造を用いた協奏不斉触媒の創製を目指して研究を行った。研究は4段階、段階1. 多彩な変換が可能なキラル環状アミノ酸の設計・合成段階2. ペプチド・フォールドマーの合成と2次構造解析段階3. ヘリカル2次構造フォールドマーによる不斉エポキシ化反応段階4. ヘリックス2次構造による協奏不斉触媒の創製で進めた。 1 : 新規なキラル環状アミノ酸として、多彩な変換が可能な環状ジ置換アミノ酸を大量合成した。特に、アジド基を有するものと脱着可能なアセタール部位を有する環状アミノ酸の合成を行った。また、その官能基を変換することにより、不斉構造を変換できることが分かった。 2 : 環状アミノ酸からペプチド・フォールドマーの合成を液相法により行い、合成したペプチド・フォールドマーの2次構造解析を計算化学、溶液状態、結晶状態(X線結晶解析)にてそれぞれ解析した。そして、環状アミノ酸の側鎖の不斉構造とヘリカル2次構造の関係を調べた。 3 : ヘリカルなフォールドマーによるカルコンの不斉エポキシ化反応を検討した。特にオリゴマーの長さ、アミノ酸の配列、2次構造と不斉誘起の発現のメカニズムについて考察を行った。その結果、エポキシ化体の鏡像体過剰率を95%eeまで向上することが可能となった。 4 : 今までの実験結果を基に、ヘリックス2次構造のN末へ新規な触媒部位の導入により、ヘリカル協奏機能触媒の創製ができないか設計を行った。
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