2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037055
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有川 康弘 Nagasaki University, 生産科学研究科, 助教 (30346936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正義 長崎大学, 工学部, 教授 (00039695)
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Keywords | 一酸化窒素 / 金属酵素 / N-Nカップリング / NO還元サイクル / 一酸化二窒素 / 二核錯体 / ピラゾリルボレート / ルテニウム |
Research Abstract |
本研究は、自然界における窒素循環サイクルの一部である一酸化窒素還元酵素(NOR)を範とする機能モデル錯体を構築し、そのNO還元サイクルを達成する。また、この活性化様式を模倣し、小分子の活性化を行う。さらに、配位NO分子との新規カップリング反応の創出を目指す。今年度は、NO還元酵素(NOR)の還元サイクルの機能を模倣した、独自の還元サイクルの達成を目的とする研究を行った。NORは、2分子のNOと2電子および2つのプロトンにより、N_2OとH_2Oへと変換している。これまで、その機能モデル錯体の合成に成功し、すでに還元反応によるN-N結合生成を再現している。残りのステップの研究を行い、NO還元サイクルを達成する。 1、N_2O分子の脱離 N-N結合を有する二核錯体とプロトン酸との反応を行った。その結果、ジニトロシル二核錯体とともに酸素架橋二核錯体が単離された。この反応において生成したガス成分をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、N_2O分子が検出された。このN_2O分子の脱離は、まさしくNORのNO還元サイクルで生成する分子であり、酵素の機能を再現したことになる。2脱水反応およびNOとの反応 2、脱水反応およびNOとの反応 得られた酸素架橋二核錯体に対して2当量のHBF_4と反応させて、OH_2架橋錯体を系中に発生させた。その後、直接NOガスと反応させることで、ジニトロシル二核錯体を単離することに成功した。これらによりNO還元サイクルが達成された。
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Research Products
(2 results)