2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037055
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有川 康弘 Nagasaki University, 生産科学研究科, 助教 (30346936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正義 長崎大学, 工学部, 教授 (00039695)
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Keywords | 一酸化窒素 / 金属酵素 / NO還元サイクル / N-Nカップリング / N-Cカップリング / 二核錯体 / ピラゾリルボラト / ルテニウム |
Research Abstract |
本研究は、自然界における窒素循環サイクルの一部である、一酸化窒素還元酵素(NOR)をとする機能モデル錯体を構築し、そのNO還元サイクルを達成する。また、この活性化様式を模倣し、小分子の活性化を行う。さらに、配位NO分子との新規カップリング反応の創出を目指す。昨年度、N-Nカップリンゲ二核錯体を用いることにより、目的とするNO還元サイクルを達成した。今年度は、これらの知見をもとに、以下の2つの新規反応系に挑戦した。 1、 配位NO分子との新しいカップリング反応 TpRuCl_2(NO)(Tp:ハイドロトリスピラゾリルボラト)をホスフィンおよびNaBF_4存在下、Et_3Nと反応させることで、C-H結合活性化を伴ったNO配位子のN-Cカップリング反応が進行し、ニトロソエテノラト錯体が得られた。また、この反応では酸素によるアミンの酸化および加水分解反応が同時に進行していた。三級の脂肪族アミンの酸化は珍しいため、非常に興味深い。 2、 小分子の活性化について NO還元サイクルを参考に、酸素架橋二核錯体に対して2当量のHBF_4と反応させて、OH_2架橋錯体を系中に発生させた。その後、一酸化炭素ガスと反応させたが、反応が進行しなかったため、亜鉛存在下で反応させたところ、ジカルボニル二核錯体が単離された。IRスペクトルにより、末端カルボニルに帰属されるバンドが観測され、またX線構造解析によりその構造を同定した。 この合成法を用いることにより、他の小分子を導入できることが示された。
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Research Products
(5 results)