2008 Fiscal Year Annual Research Report
単核銅-活性酸素錯体の創成と機能解明および触媒反応への応用
Project/Area Number |
20037057
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 忍 Osaka University, 大学院・工研究科, 教授 (30184659)
|
Keywords | 単核銅酸素錯体 / ペルオキソ錯体 / オキソ錯体 / 銅タンパク質 / 酸素化反応 / 芳香族水酸化 / C-H結合活性化 / スーパーオキソ錯体 |
Research Abstract |
ドーパミンβ-モノオキシゲナーゼ(DβM)、ペプチジルグリシンα-アミデイティングモノオキシゲナーゼ(PAM)、銅含有アミン酸化酵素(AO)、およびガラクトース酸化酵素(GAO)などの酵素触媒反応において重要な役割を果たしている単核銅-活性酸素種の創成と酸化機能の解明および触媒反応への応用を目指して研究を行った。具体的には、銅含有酸化酵素の活性中心に多く見られるN_3系の配位環境を再現可能な新規三座配位子を設計・調製し、それを用いた単核銅-活性酸素錯体の創成と機能解明を行った。以下に実験計画の概略を箇条書きで示す。 (1)酵素活性中心の配位環境を再現可能な新規N_3系三座配位子を設計し合成した。 (2)銅(I)および銅(II)錯体の調製とキャラクテリゼーションを行った。 (3)銅(I)錯体と分子状酸素(O_2)との反応による単核銅(II)スーパーオキソ錯体を調製し、構造、分光学的特性、電子状態、反応などについて検討し、酵素系のものと比較した。 (4)銅(II)錯体と過酸化水素(H_2O_2)およびアルキルヒドロペルオキシド(ROOH)との反応により単核銅(II)-ヒドロペルオキソ錯体や銅(II)-アルキルペルオキソ錯体を調製し、それらの構造、分光学的特性、電子状態、反応などを明らかにした. (5)上記各単核銅-活性酸素錯体の生成機構の詳細を解明した。 (6)各単核銅-活性酸素錯体の外部基質に対する反応性を調べ、各反応の反応機構を速度論的に検証した。
|