2008 Fiscal Year Annual Research Report
光生物学における分子理論の展開:励起状態理論の開発を基盤として
Project/Area Number |
20038026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 淳也 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (30322168)
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Keywords | QM / MM法 / SAC-CI法 / 生体分子 / 光化学 / 励起状態 / 光合成反応中心 / レチナールたんぱく質 / 蛍ルシフェラーゼ |
Research Abstract |
光生物学の研究対象は、光合成、色覚などの基礎科学的解明から、分子イメージングなどの蛋白質工学に至る広い学問領域において重要になっている。光機能性蛋白質の励起状態の電子構造や色素-蛋白質相互作用は機能発現と密接に関わっており、理論・計算化学の手法を用いて研究することで、物理化学的メカニズムの詳細を明らかにすることができる。 我々はこれまで視物質やプロトンポンプで重要なレチナール蛋白質の光吸収波長制御、ホタル・ルシフェリンや蛍光蛋白質の発光色制御に関するメカニズムについて、SAC-CI法を用いた研究を行い、光生物学における分子理論の重要性を示してきた。本年度は、これらの研究を更に発展させて、ヒト色覚に関与する赤・緑・青色光受容体におけるカラー・チューニング機構についての研究を行い、その物理・化学・生物学的起源を初めて明らかにした。また、蛍の発光に関してはルシフェラーゼの理論ミューテーションを行い、異なる発光色を示す分子設計を提案した。 また、複数の色素を含む光合成反応中心のポテンシャル面を研究するために、複数のQM領域を取り扱うことができるようにQM/MMプログラムの拡張を行った。
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Research Products
(15 results)