2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面反応ダイナミックスにおける電子-格子相互作用の役割の解明
Project/Area Number |
20038033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 吉泰 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70181790)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 表面化学 / フォノン / 表面・界面物性 / 反応制御 / 第2高調波発生 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続きCu(111)表面上のアルカリ金属吸着種の振動核波束ダイナミックスに関して研究を行った。対象とした系は,Cs/Cu(111)である。この吸着系は昨年度集中的に研究したKと異なる以下のような顕著に異なる結果をもたらした。 1. Csのコヒーレント振動振幅が,400nmの励起光の場合にはそのフルーエンスにほぼ比例するように増加するのに対し,800nm励起の場合は明らかに飽和傾向を示した。 2. コヒーレントフォノンの初期振幅は,400nm励起の場合は余弦的であるのに対して,800nm励起の場合は正弦的であった。 これらの結果は,励起波長によりコヒーレントフォノン励起のメカニズムが異なっていることを意味している。この点について,当該計画班である信定グループとの共同研究を行い,800nmの光により表面状態間の共鳴励起,引き続き起きる迅速な電子緩和によりコヒーレントフォノンが励起されるというモデルを構築し,その妥当性を検討した。その結果,このモデルで少なくとも定性的に観測結果を説明できることがわかった。
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Research Products
(6 results)