2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20038035
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 久芳 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (40128690)
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Keywords | 密度汎関数法 / 燃料電池 / 電極触媒 |
Research Abstract |
電極反応を扱うには、エネルギーの他に、電位をパラメータとして、反応を追跡することが必要であり、今までに手が付けられていなかった領域である。我々は、金属クラスターのイオン化ポテンシャルを調節し、印加される電位を表現する方法を考案した。これを用いて、水素発生反応をPt、Pd、Au、Agで比較し、PtとPdの優位性を再現した。Pt上での第1段還元反応の可逆電位は、アンダーポテンシャル析出のために正電位側にシフトするが、Pdでは0Vに近い電位となる。AuやAgでは、大きく負電位側となり、生成系が不安定であることを示す。 また、酸素還元反応をPtとAuで比較した。O_2の吸着ではPt上でのみ、side-on型の安定構造が得られた。O_2→OOH還元反応では、PtとAu間で大きな差異は認められない。Auがよい電極触媒にならない理由はOOH種からの還元反応が進行しないからである。Ptでは、OOH_2は直ちにO-O結合を解裂し、吸着O原子とH_2Oに分解するが、Auでは、OOH_2の生成自身が非常に低電位側でのみ進行し、O-O結合も解裂しない。一方、OOH→HOOH反応は、Auの方が高電位で進行する。OHはPt表面と強く結合するので、O→OHの還元反応は高電位側でも進行する。最後のOH→H_2O還元反応は、OHが強く吸着するが、生成したH_2O分子の溶媒水分子との溶媒和(水素結合)による安定化し、実験値に近い値(0.64V)が得られた。OHとAu表面との相互作用は比較的に弱いので、OH→H_2O還元反応は、より高電位側で進行する。
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Research Products
(5 results)