2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20038038
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
戸田 幹人 Nara Women's University, 理学部, 准教授 (70197896)
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Keywords | 非定常性 / 化学反応 / ウエーフレット / カオス / 集団運動 / 相空間構造 / 反応動力学 / 生体反応 |
Research Abstract |
(1)「反応座標」の分岐現象を解明する新たな方法論を開拓し、水素置換反応という具体的な反応過程の解析に応用した。その結果、遷移状態の分岐過程の全貌を明らかにするとともに、旧来の遷移状態理論の限界を明確にした。この結果は、北大の小松崎教授らとの共同研究であり、Journal of Chemlcal Physlcsに掲載された。 (2)主成分解析の関連では、神奈川大学の窪谷教授、東工大の足立助教との共同研究で、ランダム行列の重要なクラスである定トレースクラスに関して、その特異値の一体分布関数の厳密解を求めた。この厳密解は、多変数の超幾何関数を利用するものであり、多変数超幾何関数論の応用という面でも極めて重要な貢献である。この結果はPhyslcal Revlew Lettersに速報が掲載され、フルペーパーはAnnals of Physlcsへの掲載が既に決まっている。 (3)生体分子において機能に関与するのは、分子の或る部分がまとまってゆっくり挙動する集団運動である。このようなゆっくりした運動を抽出するために、ウエーフレット変換と主成分解析を組み合わせた方法を開拓し、具体的な生体分子の解析に応用した。
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