2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20038042
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小関 史朗 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 教授 (80252328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻田 俊雄 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (10285314)
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Keywords | 有機EL / 蛍光と燐光 / 遷移モーメント / スピン軌道相互作用 / 内部転換 / 項間交差 / 発光層 / 電子注入・輸送層 |
Research Abstract |
相対論的効果のひとつであるスピン軌道相互作用効果が遷移元素の化合物においてどのような傾向を示すか検証するために最も簡単な基礎分子である水素化物の理論計算を実行した. 第1〜3系列遷移元素の一水素化物(mono-hydrides)のエネルギー的に低い状態の解離曲線をMCSCF法を用いて求めているが, MCSCF active spaceに問題が生じることが明らかになり, 解決方法を模索している. さらに, 第3系列遷移元素の二水素化物(di-hydrides)および四水素化物(tetra-hydrides)についても研究を行い, 国際学会および論文として発表した. 基底状態のスピン多重度が幾何学的構造によって変化し, それらのエネルギー差も比較的小さい. それゆえ, スピン軌道相互作用が重要な役割を果たす. 有機ELの燐光材料として良く知られているIr(ppy)3およびPt(thpy)2における発光波長に対して, 置換基効果がどのような影響を及ぼすかについて系統的に調査している. 既に知られている複数の配位子でそれぞれの配位子を置換することによる発光波長のシフトの大きさを検証している. 現在論文にまとめている段階であるが, 総説(J. Comput. Theoret. Nanoscience)および解説(応用物理)を執筆した. 今後はさらに, 中心金属の置換も視野に入れて適切な波長および強度を有する燐光を発する分子のデザインを試みていく. この目的のために熱失活速度の適切な見積もり方法を考案中であり, デバイス中のアモルファス状態における発光環境をQM/MM計算を用いてシミュレーションを進めている. 発光層, 電子および正孔注入・転送層をそれぞれシミュレーションし, 最後に全体をシミュレーションする.
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Research Products
(12 results)