2008 Fiscal Year Annual Research Report
余剰次元理論と超対称性理論におけるクォーク・レプトンの世代構造の研究
Project/Area Number |
20039006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波場 直之 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00293803)
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Keywords | 余剰次元理論 / LHC実験での検証可能性 / 超重力理論 / ニュートリノ / 境界条件による超対称性の破れ / インターバルGUT / 超対称性理論 / カスケード質量行列 |
Research Abstract |
本研究の目的は、素粒子の標準模型の背後にある新しい物理の探求を、主として模型構築の見地から行い、LHC・ILC実験でどの様に観測されるかを解析することである。この目的に向かって研究計画をたてて、研究を行った結果、主に以下の研究実績が得られた。 (1):超対称性の動力学的破れの機構において、ヴェクトルライク理論では真空が擬安定であり、更に繰り込み群を考えると高エネルギーで結合定数が発散してしまう困難が存在する。また、擬安定の真空でもその真空が宇宙年齢に比べて十分安定であればいいが、その場合、R対称性等を露に破る必要がある。そこで、超重力理論に理論を拡張すると「宇宙項をゼロにするために導入する定数項」の効果でR対称性が自然に破れることに注目し、シンプルで新しい超対称性の動力学的破れの機構を構築して、真空構造やゲージ結合定数のエネルギー依存性等の解析を行った。 (2):レプトンの質量公式を超対称性がF項で破れた場合に導出される可能性について、現象論の解析を行った。 (3):5次元のインターバル上のSO(10)大統一理論の構築を行い、新しい5次元SO(10)大統一理論の構築をして、現象論的解析を行った。 (4):超対称性のある余剰次元理論では、超対称性を保つ場の境界条件がnontrivialである。このことに注目して、境界の存在で超対称性が破れる新しい可能性を発見した。 (5):カスケード質量行列形での、ニュートリノ振動実験結果の再現可能性を示した。
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