2008 Fiscal Year Annual Research Report
スピン偏極を利用したタウレプトン崩壊による標準模型を超える物理の研究
Project/Area Number |
20039008
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
両角 卓也 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (20253049)
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Keywords | 素粒子論 / タウレプトン / スピン偏極 / CP対称性 / 標準模型を超える物理 |
Research Abstract |
本研究はタウレプトンとその反粒子の崩壊分布を調べることでスピン偏極に依存したCPの破れを研究し、標準模型を超える物理の効果を探すのが目的である. 平成20年度の研究ではタウレプトンのハドロニック崩壊τ→Kπνを研究した。研究した主な内容は(1)スピン偏極したタウレプトンの最も一般的な崩壊分布(2)電子、陽電子対から対生成したタウ反タウレプトン対生成のスピン相関を利用したスピン偏極ハドロン崩壊分布の研究(3)崩壊に関係するハドロニック形状因子(4)タウレプトンの崩壊に寄与する標準模型を超える模型の効果の研究の4点である.(1), (2)の研究を基に、スピン偏極に依存したCPの破れを具体的にどのように実験の崩壊角度分布から引き出せるのかを明らにした. CPの破れのパラメーターの決定にはハドロンの形状因子を精度よく求めることが重要である. (3)に関してベクトル中間子(K*)やスカラー(κ)が入ったカイラルLagrangianを用いて強い相互作用をモデル化し、この崩壊に関与する形状因子を計算した. この結果に基づき, スピン無偏極な場合の崩壊分布とCPの破れをTwo Higgs Doublet模型を使って評価した. 我々の求めた形状因子は運動量移行が小さいときにカイラル摂動の結果とスムースに繋がらない欠点があるのでこの問題点を改良する方法を研究した. (4)に関して, Two Higgs Doublet模型において, タウレプトンの質量が複数のヒッグスの期待値で生じる場合に荷電ヒッグスとτレプトンの結合が複素数になり、CPの破れを生じることを明らかにした.
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Research Products
(6 results)