2008 Fiscal Year Annual Research Report
Bファクトリーの新たな可能性:軽いダークマターの探索とボトムニウム稀崩壊の研究
Project/Area Number |
20039010
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
住澤 一高 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 助教 (40379293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 義仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (60311122)
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Keywords | 素粒子実験 |
Research Abstract |
ミューオンveto検出器をビームライン付近に設置することを想定して、ビームライン付近のバックグラウンドレベルを測定したところ、ミューオンの測定が困難なほど中性子起源のバックグラウンドがあることが判明した。そこで、まずこのバックグラウンド源を探しことにした。いくつかの測定結果から、QC1 と名付けられているマグネット付近から来ていると想定し、それとBelle検出器の間にバックグラウンドの吸収体として厚さ約2センチメートルのポリエチレンの構造物を設置した。Belle 検出器を用いて測定したところ、構造物を設置した周辺のバックグラウンドが約30%減少することが分かった。このことから、QC1 マグネットが中性子の発生源の一つで、それをポリエチレンで囲うことによりバックグラウンドを減少させることができることが分かった。 ミューオンveto検出器の試作機はロシアの ITEP グループから借りることができたので、これとBelle検出器を使用して、テストを行った。Belle 検出器側のミューオン検出器からの外挿から、ミューオンveto検出器でのミューオンの通過位置が判明するので、それとミューオンveto 検出器の信号とのマッチングがとれていることが確認され、ミューオン検出器としての性能は確認できた。それとともに、中性子などのバックグラウンドによる検出器の性能劣化を気にしないといけないこととが分かり、ビームライン周りに設置するためには、バックグラウンドによる劣化を防ぐ方法を考える必要があることも判明した。
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