2008 Fiscal Year Annual Research Report
T2K実験におけるニュートリノビーム生成についての研究
Project/Area Number |
20039012
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
坂下 健 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 助教 (50435616)
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Keywords | ニュートリノ振動 / ハドロン生成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、T2K実験において、電子ニュートリノ出現事象に対する背景事象の数を精度よく見積もる事、また、ミューオンニュートリノ消失事象から混合角、質量自乗差を精密に測定するためにスーパーカミオカンデ検出器(SK)での振動がない場合のエネルギー分布の不定性を小さく抑える事である。 さらに、将来の「ニュートリノ振動における粒子・反粒子対称性の破れ」を測る実験に向けて、反ニュートリノビームの生成についての基礎研究を行う。 そのために、陽子と炭素ターゲットとの相互作用からのハドロン(ニュートリノの親粒子であるπ中間子やK中間子)の生成を測定し、この結果をT2K実験のニュートリノビーム生成のシミュレーション(Beam Mc)の中で使用する事で、研究目的の達成を目指す。 今年度の研究では、昨年度(19年度)にCERN NA61実験にて測定したハドロン生成のデータの解析および理解を海外共同研究者と協力して行ってきた。 これまでの解析により、反ニュートリノの親粒子となる負電荷のπ中間子について、実験データより生成分布を求めハドロン生成モデルを仮定したモンテカルロシミュレーションの結果との比較を行った。一方、ニュートリノの親粒子となる正電荷のπ中間子/K中間子については、実績データを用いて事象の再構成を行った。研究最終年度の次年度では、検出器の検出効率やアクセプタンスの補正を行い、生成断面積分布を求めていく。
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