2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20039014
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 薫 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (50189461)
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Keywords | T2K / T2KK / ニュートリノ / ニュートリノ振動 / J-PARC / ニュートリノ混合 / CP非保存 / ニュートリノ質量 |
Research Abstract |
T2KK長基線ニュートリノ振動実験で、大気ニュートリノ振動角度が45度以上かそれ以下かを判別できる可能性があることを明らかにし、結果を専門誌JHEPに発表した。これは、T2KK実験で測定されるミューニュートリノから電子ニュートリノへの遷移確率が、45度付近で角度に比例して増大する効果を、2ヶ所の検出器を用いるごとで、物質効果やCP非保存等の他の効果から分離することができるからである。 T2KK実験の東海村と神岡、東海村と韓国、其々の基線に沿った物質分布を、最新の地球物理学的観測データをもとに評価し、その結果をニュートリノ振動確率計算に取り入れた。物質密度の不定性によってT2KK実験の物理的成果がどれたけ制限されるかを評価し、その結果を日本物理学会2008年秋季大会で報告した。投稿論文を準備中。 T2KK実験での最重要過程、ミューニュートリノから電子ニュートリノへの遷移過程検出の主要なバックグランドとなる、中性カレントによる中性パイメソン生成を評価した。中性パイメソンの2光子崩壊が、水チェレンコフ検出器で電子と間違われるためである。特に高エネルギーニュートリノを検出する韓国側の検出器でこのバックグランドが深刻であることが分かった。結果を日本物理学会2008年秋季大会で報告し、専門誌に論文を投稿した。 T2KK実験の物理的発見能力は、東海村のJ-PARCからニュートリノビームたけでなく、反ニュートリノビームも発射することで、高まることを明らかにし、結果を日本物理学会2008年秋季大会で報告した。投稿論文を準備中。
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