2008 Fiscal Year Annual Research Report
すばるFMOSの大規模分光サーベイによるバリオン振動探査
Project/Area Number |
20040005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸谷 友則 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90321588)
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Keywords | ダークエネルギー / 宇宙論 / バリオン振動 |
Research Abstract |
宇宙膨張を加速するダークエネルギーの謎は、現代理学および天学上の最大の難問でる。超広視野の大規模銀河分光サーベイによるバリオン振動測定は、宇宙物理的な系統誤差が少ないダークエネルギーへのアプローチとして世界的に期待されている。銀河の密度揺らぎのパワースペクトルか現れるバリオン振動スケールは基礎物理過程がよく理解されているので、このスケールを「ものさし」として使うことで、宇宙の幾何学的構造を精密か測定することができる。FMOSを用いてバリオン振動探査を行おうという計画が日英豪のFMOSチームを中心に検討されている(FastSound計画)。撮像サーベイのデータから銀河を選択し、実際か分光して銀河の赤方偏移を決定するプロセスを確認し、一般的な成果として論文にまとめ、ジャーナルに投稿した。すでにこれまでの検討から、CFHT-LSデータが、深さと広さ、そして5バンドの測光データの存在などから、撮像データとして有力視されている。このCFHT-LSの銀河を実際にFMOSで観測することで、いくつかの選択法をテストし、成功率の高い方法を確定した。同時に、撮像データセットとして、CFHT-LSが十分かどうかを確認した。CFHT-LSを想定し、詳細なサーベイシミュレーションを行い、予想されるダークエネルギーへの制限精度を観測時間の関数として正確に見積もった。また、様々な系統誤差の検討を行いつつある。たとえば、撮像サーベイにおける測光精度や、FMOSの視野形状などか起因するサーベイ領域の非一様性、FMOSにおけるOH夜光除去に伴う特定の赤方偏移の銀河の欠損などが与える影響を、現実的なシミュレーションなどをもちいて正確に見積もり始めた。また、FMOS試験観測に参加し、実際の観測プロセスを確認する一方、バリオン振動探査計画のチームミーティングをハワイで開催し、有益な議論ができた。
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Research Products
(4 results)