2008 Fiscal Year Annual Research Report
半導体上のスピネル型ハーフメタルの成長と高偏極率スピン注入の実証
Project/Area Number |
20042001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
陽 完治 Hokkaido University, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 宗一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30431331)
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Keywords | マグネタイト / スピン注入 / ハーフメタル / スピネル構造 / MBE |
Research Abstract |
インジウム砒素基板上に200Å成長させたマグネタイト薄膜の磁化特性を超伝導磁束量子干渉計(SQUID)を用いて測定した. マグネタイト薄膜の磁化容易軸方向に外部磁場を印加した場合, 0.4T付近で磁化が飽和し, その値は483emu/ccであった. この値はバルクのマグネタイトのそれと近い値である. 一方, マグネタイト薄膜の磁化容易軸方向と垂直な外部磁場を印加した場合, 飽和し始めたのは1T付近であった. またマグネタイトの抵抗の温度依存性を測定するために, シリコン酸化膜上にマグネタイト薄膜100Åを成長させた. 成長温度は300℃, 酸素分圧は7.5×10-7Torr, 成長レートは約100Å/hour成長したマグネタイト薄膜を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果その表面粗さは3.92nm/μm^2であった. この試料抵抗の温度依存性を, 1/Tとしてプロットすると120Kにおいて抵抗変化曲線の傾きが変化するVerwey転移を示した. マグネタイトの最適成長温度は摂氏300度となったため、マグネタイト電極を用いたスピン注入デバイス作製のためのプロセスを開発する必要がある. レジストフリーの試料全面に高温成長されたマグネタイトを, 必要な部分のみ残してそれ以外をArプラズマによりエッチングし、レジストカバー直下, すなわち電極間に残っているマグネタイトをシリコン酸化膜とともにリフトオフをおこなうことで達成した. これらの結果については「電子情報通信学会、電子デバイス研究会2009年2月」で報告した. また光学的評価についてはスピン偏極率の確認は、InAs系のスピンダイオード構造およびGaAs/AlGaAs量子井戸耕造での近赤外円偏光測定を行うための測定系の構築を終えた。
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