2008 Fiscal Year Annual Research Report
スピネルフェライトによるスピンフィルタ型スピン源の作製
Project/Area Number |
20042005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳原 英人 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50302386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 英治 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80134203)
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Keywords | ズピンフィルタ効果 / スピネルフェライト / エピタキシャル成長 / トンネル磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
本研究ではこの高いスピン偏極電流を実現するための手段として、非磁性金属/強磁性絶縁体/強磁性金属という構造をもつスピンフィルタ型トンネル抵抗(TMR)素子の開発を行った。スピンフィルタでは、非磁性電極から強磁性絶縁層をへて強磁性電極に電子がトンネルする構造になる。強磁性絶縁層をトンネルする電子が感じる障壁高さは、スピンの向きに依存して異なるため、この強磁性絶縁体を抜けたスピン依存トンネル電流は、100%近く偏極するはずである。本研究では、優れた絶縁体であり、室温よりも高いキュリー温度(Tc=848K)をもつマグヘマイト(γ-Fe_2O_3)に着目しこれを障壁層に用いた(全エピタキシャルな)スピンフィルタ型MTJを作製し、電気伝導特性を評価することを目的とし研究を行った。 まずγ・Fe_2O_3が成長するような金属表面の探索を行った。いろいろな下部電極材料を試みたが最終的には、TiN(001)上にγ-Fe_2O_3(001)を成長させることで良好な膜が得られることが分かった。さらにMgO (subst.) /TiN (100nm) /γ-Fe2O3 (3.6nm)/A1203 (1nm) /Fe(10nm) /Au(20nm)の構造の素子を作製し、室温で2%のTMRが観測された。素子抵抗と素子面積の比(RA)は、γ-Fe203膜厚ともに指数関数的に増加し、また電流電圧特性は明瞭な非線型性を示しており、この伝導がトンネル的なものであると理解できる。さらにTMRのバイアス依存性も観測された。現時点では小さなTMRであるが、今後成膜条件の最適化をおこなうことでより大きなMRが得られるものと期待している。
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Research Products
(1 results)