2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20042011
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
齋藤 秀和 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (50357068)
|
Keywords | スピン依存発光 / スピン注入 / 金属 / 絶縁体 / 半導体接合 / トンネル磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
高度情報化社会の更なる発展に必要とされている、情報記憶機能を有するトランジスタ(スピントランジスタ)実現のための基盤技術として、強磁性体からのスピン偏極した電子を非磁性半導体中へ注入し伝搬させる"スピン注入"の研究が盛んに行われている。過去の研究により、Fe等の強磁性金属と一般のIII-V族半導体GaAs間にMgO等の酸化物絶縁体を挿入することにより、高スピン偏極電子の注入が可能であることがわかっている。しかし、絶縁体/GaAs界面に多量の界面準位が形成されることが大きな課題となっている。これは、界面準位は漏れ電流の発生源であるため、トランジスタへ応用した際に電流増幅機能の大幅な劣化をもたらすためである。 このため、本研究において申請者は新絶縁体材料の探索を金属/絶縁体/半導体構造を有するFe/絶縁障壁層/Ga_<1-x>Mn_xAsトンネル磁気抵抗素子(TMR)素子のスピン依存伝導特性の評価によって行った。その結果、酸化ガリウム(GaO_x)を用いたFe/GaO_x/Ga_<1-x>Mn_xAsにおいて、MIS型TMR素子としては世界最高値である磁気抵抗変化率58%を達成した(H.Saito et al.,Appl.Phys.Lett.93,172515(2008))。この結果は、GaO_xが強磁性金属からIII-V族半導体へのスピン注入のための重要な障壁層材料であることが強く示唆される。
|
Research Products
(2 results)