2008 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜伝導電位を持つ半導体ナノシート/メソポーラスシリカ積層界面での光電子輸送
Project/Area Number |
20043029
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 克彦 Kanagawa Academy of Science and Technology, 専務理事 (60023264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 慎介 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (40281240)
笹井 亮 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60314051)
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Keywords | 光エネルギー変換 / 長寿命電荷分離状態 / チタニアナノシート / SPR電場蛍光増感 / アニオン交換性層状複水酸化物 / Layer-by-Layer法 |
Research Abstract |
我々は、光エネルギーを電荷分離状態で貯蔵するモデル系として、電子受容体を保持したTNSナノシートと貫通するメソ孔に電子供与性の可視光増感剤をもつ多孔性シリカ(MPS)をFTO電極上に積層した系を検討している。この透明薄膜中のTNSを紫外光励起すると、TNS中のMV^<2+>が1電子還元され、MPS中のH_2TMPyP^<4+>が1電子酸化された電荷分離状態がΦ=約10^<-3>の量子効率で起こり、電荷分離状態が極めて安定なことを明らかにした。 本研究計画では、積層系で観測される長寿命電荷分離系の量子効率向上のため、チタニア、ニオブ酸塩、チタノニオブ酸の順に積層した傾斜電導電位を検討したが、大きな促進効果が見られないため、別の試みとして金ナノ粒子(AuNP)のSPR電場増強効果を検討した。 NPSをアニオン交換性層状複水酸化物(LDH)ナノシートに変え、AuNPとTCPPとの距離を制御し、TCPP増感剤の増感効率の改善を図った。上記の実現のために、AuNPがTCPPの光励起を増感する場合の最適な距離について検討した。Layer-by-Layer法によりLDH/ArSO_3H層(2nm/枚)を積層することによりAuNPとTCPPとの距離を制御し、その距離とTCPPの蛍光強度の相関を検討した結果、Fig. 3に示すように3層(6nm)以上で蛍光増強が観測されるようになり、9層(18nm)程度で増強効果は最大となった。この結果に基づき、今後は、最もTCPPの増感効果が有効な系で、励起1重項TCPPからTNSの伝導体を介してTNS層間に放接したメチルビオロゲン(MV^<2+>への電子移動を測る。また、AuNPの有無による電荷分離効率の違いとその機構の解明を明らかにする。
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