2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20043035
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡本 隆之 The Institute of Physical and Chemical Research, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (40185476)
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Keywords | 表面プラズモン / プラズモニック結晶 / 蛍光エネルギー移動 / 有機EL素子 |
Research Abstract |
蛍光分子から表面プラズモンヘのエネルギー移動の効率を向上する方法について研究を行った。用いた構造は1次元のプラズモニック結晶である。プラズモニック結晶は金属表面に周期的な凹凸を設けた構造であり、周期格子の持つ格子ベクトルの働きにより、伝搬光と表面プラズモンとの間にエネルギーの授受が生じる。加えて、金属が薄膜でかつ、その両界面にプラズモニック結晶構造が存在する場合、それぞれの界面での格子ベクトルの働きにより、金属薄膜の両界面の表面プラズモンの間にも結合が生じ、エネルギーの授受が起きる。本研究では、このプラズモニック結晶を陰極に採用した有機EL素子を作製し、さらにその陰極上にアクセプターとしての蛍光分子を堆積した。本素子では、電子正孔対注入によって、発光層の分子が励起される。さらに、この発光分子がドナーとをして働き、そのエネルギーは表面プラズモンを介して、陰極上のアクセプター分子に移動する。最終的にアクセプターからの発光が自由空間に取り出される。陰極にプラズモニック結晶構造を導入したときのアクセプターからの発光強度は、導入しなかった場合と比較して、一桁以上増強した。この結果から、プラズモニック結晶の導入が分子-表面プラズモン間のエネルギー移動の速度を著しく向上することが分かった。さらに、2次元プラズモニック結晶の光学的特性を解析するために、厳密結合波理論を用いた2次元周期構造の光学特性の解析ソフトウェアを開発した。
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Research Products
(6 results)