2008 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学界面計測に利用可能なプラズモニック結晶型基板の開発
Project/Area Number |
20043038
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
八木 一三 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター, 研究チーム長 (40292776)
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Keywords | 表面プラズモン / 表面増強ラマン散乱 / プラズモニック結晶 / 電気化学 / in situ測定 / MEMS・NEMS / 表面・界面 / 電極触媒 |
Research Abstract |
本研究では、表面増強ラマン散乱(SEES)分光を用いて、金や銀等のsp金属だけではなく、白金等のd金属電極表面の現象を追跡する分光ツールを開発することを検討している。従来の電気化学SEES研究では、(1)伝統的なSERS活性基板の調製は金・銀などの電極における表面ラフネスの増大によるホットスポットの発現に基づいており、再現性に乏しく、特定の部位からの信号が優勢である点、そして(2)近年発展が目覚ましい金属ナノ粒子に基づくSEES活性基板もまた、粒子間に生じるホットスポットの発現に依存しており、表面構造規制と電位印加時の安定化が難しい点が問題となる。そこで、我々は、マイクロメートルオーダーの表面構造そのものにプラズモン電場の増強機構を賦与したプラズモニック結晶基板に着目し、その表面を電極として、in situ分光電気化学計測に利用することを試みた。現在検討を進めている逆ピラミッド型プラズモニック結晶構造では、光の波長程度の深い逆ピラミッドピットに励起光を照射すると、ピット内の壁面に沿って表面プラズモンポラリトン(SPP)が誘起される一方、閉じこめ効果により特定の波長で定在波が形成されるため、対応する波長の光に対して電場が飛躍的に増大し、SERS活性となる。現時点では、この構造に金を蒸着して調製した基板について、金表面が(111)配向で平坦であっても、十分なSERS活性を有すること、-SEES活性が発現する波長領域仁は、SPP定在波に基づく周期的な光吸収が認められること、そして電気化学環境下においても十分SERS計測が可能であることを確認している。現在、伺構造に基づくSERS活性Pt基板の開発と同時に、上記のSERS活性Au基板に数原子層のPtやPdを膜厚制御しながら積層させる研究を実施している。
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Research Products
(2 results)