2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル解離型フォトクロミック系の光誘起表面レリーフ構造の構築と機能化
Project/Area Number |
20044008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
菊地 あづさ Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (30452048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 幹雄 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00107369)
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Keywords | フォトクロミズム / 光誘起表面レリーフ / ヘキサアリールビスイミダゾール / イミダゾリルラジカル |
Research Abstract |
光誘起表面レリーフ(PSR)形成はアゾベンゼンなどのフォトクロミック分子において報告されているが、スピン機能を有するフォトクロミック系での報告はなく、その形成メカニズムについては明確になっていない。ラジカル解離型フォトクロミズムを示すヘキサアリールビスイミダゾール(HABI)は光照射により生成するイミダゾリルラジカルの反応性が高く、これまで記録媒体等のフォトクロミック材料への展開が困難とされてきた。申請者はイミダゾリルラジカルの電子状態制御指針を確立し、そのラジカル特性に着目し、HABI誘導体の単一成分アモルファス薄膜においてPSR形成を見出した。AFMイメージとフォトマスク形状の照合からHABI誘導体では物質移動に起因してPSR構造が形成されることを明らかにした。HABI誘導体の一つであるo-Cl-HABIでは光暗部が凸、光明部が凹部として得られるが、アゾベンゼンを導入したazo-HABIでは光暗部が凹になり光明部が凸部として得られる。このことから、HABIに導入する置換基によりPSR構造が異なる、すなわち、フォトクロミック反応部位であるイミダゾリルラジカル部位の電子状態(反応性)の違いによりPSR形成メカニズムが異なる可能性を示唆した。
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