2008 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミック分子単結晶表面における光誘起物質移動
Project/Area Number |
20044015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 英之 Osaka University, 大学院・工学研究科, 講師 (00222167)
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Keywords | 光誘起物質移動 / 表面レリーフ回折格子形成 / 単結晶 / アゾベンゼン誘導体 / フォトクロミズム / 干渉露光 |
Research Abstract |
アゾベンゼン系アモルファス材料を用いる光誘起表面レリーフ回折格子(SRG)形成が注目を集めている。これに対し、申請者はごく最近、4-(ジメチルアミノ)アゾベンゼン(DAAB)の単結晶の(001)面にも光誘起SRG形成が可能であることを明らかにしている。本研究は、さまざまなフォトクロミック化合物について、その単結晶を育成し、それらを用いる光誘起SRG形成を検討して、単結晶を用いる光誘起SRG形成の一般的な特徴を明らかにするとともに、SRG形成機構を解明することを目的としている。本年度は以下の成果を得た。 4-(ジメチルアミノ)アゾベンゼン(DAAB)の単結晶の(100)面における光誘起SRG形成を検討し、(001)面と同様に(100)面でも光誘起SRG形成が可能であること、光誘起SRG形成の書込み光偏光依存性がアモルファス系とは異なることなどを明らかにするとともに、物質移動方向が明部から暗部に向かって誘起されていること、形成されたSRGの凸部に存在する分子がもとの結晶の配向と同様に配向していることを示唆する結果を得た。また、アモルファス形成能を有する4-[ビス(9,9-ジメチルフルオレン-2-イル)アミノ]アゾベンゼンの酢酸エチルとの共結晶を用いる光誘起SRG形成の検討を行い、光照射によって結晶表面にアモルファス層が形成されて、SRG形成能がアモルファス系と類似していることを明らかにした。さらに、別のアゾベンゼン系誘導体単結晶の表面にもSRGを形成させることができることを明らかにし、単結晶表面における光誘起SRG形成が一般的な現象であることを示した。
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