2008 Fiscal Year Annual Research Report
スピロベンゾピラン部位を有するイオン配位子の分子設計と光化学マニピュレーション
Project/Area Number |
20044020
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
木村 恵一 Wakayama University, システム工学部, 教授 (50107140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 佳夫 和歌山大学, システム工学部, 助教 (10432600)
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Keywords | スピロピラン / クラウンエーテル / 多価金属イオン / 錯形成 / 光制御 / クラウン化オリゴ(スピロベンゾピラン) / 抽出-光度定量 / カリクスアレーン |
Research Abstract |
本研究では、顕著な金属イオン光制御効果を実現するために、フォトクロミック部位をスピロベンゾピランに限定し、1個または複数個を大環状配位子に導入した化合物を分子設計することにした。すなわち、大環状配位子としてアザクラウンおよびカリクスアレーン誘導体を選び、錯形成光制御対象イオンとして1価金属イオンのみならず、イオン化部位の複数個導入による多価金属イオンの錯形成における光制御効果を精査した。 1) スピロベンゾピラン部位を複数個(2, 3, 4個)有するクラウンエーテル誘導体(12、14、15, 18員環)[クラウン化オリゴ(スピロベンゾピラン)]を分子設計し、各種の金属イオンに対する親和性を調べた。その結果、複数個のスピロベンゾピラン部位の付与によって多価金属イオンへの親和性が増大した。 2) 1個または複数個のスピロベンゾピラン部位を導入したカリクスアレーン誘導体を分子設計し、各種金属イオンとの錯形成反応とその光制御、さらには光物性の制御ならびに増幅を検討した。その結果、ナトリウムイオンなどの金属イオンの溶媒抽出において、抽出の光制御の可能性が示唆された。 3) 上記のクラウン化スピロベンゾピランの抽出-光度定量などの分離・分析化学への応用を展開した結果、流れ系分析において金属イオンの抽出効率やイオン選択性を光制御できた。
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Research Products
(3 results)