2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20044030
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
高見 静香 Niihama National College of Technology, 環境材料工学科, 助教 (70398098)
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Keywords | フォトクロミズム / 光開環反応量子収率 / フルカラー表示材料 |
Research Abstract |
フォトクロミック色素をフルカラー表示材料に用いるには、室内光では容易に退色しない光安定な黄色に発色するフォトクロミラク化合物が望まれる。本研究では、黄色に光発色する新たなフォトクロミック色素の合成とそのフォトクロミック挙動の解明を目的とし、1-オキサゾリル-2-ビニルシクロペンテン誘導体1aおよび2aの合成を行い、これらのフォトクロミック挙動を検討した。1-アリール-2-ビニルシクロペンテン誘導体は、分子のπ共役長が短いため紫外光照射により短波長領域の黄色から橙色の発色が報告されている。近年、オキサゾールをアリール部位にもつビスオキサゾリルエテンの着色体はビスチアゾリルエテン、ビスチエニルエテンのそれよりも短波長領域の光発色が確認されている。そこで、アリール部位にオキサゾール基を導入した1-オキサゾリル-2-ビニルシクロペンテン誘導体1aおよび2aの合成を行い、吸収スペクトル測定を行った。1aのヘキサン溶液に紫外光(300nm)を照射すると淡い黄色に着色し、その時の可視領域での吸収極大波長は395nmであった(図1)。チアゾールをアリール部位にもつ化合物3aの着色体と比較してオキサゾール基の導入で30nmの短波長シフトが観測された。しかし、1aおよび3aともに紫外光照射による光転換率は悪く可視光を照射しても元の吸収スペクトルに完全には戻らなかった。また、化合物2aのヘキサン溶液に紫外光(300nm)を照射すると淡い黄色に着色した。その時の極大吸収波長は395nmであり、化合物1と比較して20nmの長波長シフトが観測されたが、可視光を照射しても元には戻らない吸収スペクトル変化を示した。
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