2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20045006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堂寺 知成 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30217616)
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Keywords | 配列ナノ空間 / 物性理論 / 高分子構造・物性 / 自己組織化 / フォトニック結晶 / ブロック共重合体 / 準結晶 / ソフトマター |
Research Abstract |
研究題目「多元高分子配列ナノ空間物質の構造設計と物性理論」の研究目的は、多元高分子による全く新しい配列ナノ空間構造を設計構築すること、およびその新規物性の理論研究を行うことである。特にコロイド結晶では作成できない充填密度が低いダイヤモンド構造創製の成果を世界に発信し、物性発現として未来のデバイス、フォトニック結晶への応用可能性を研究することであった。 平成20年度は,名古屋大学松下研究室との共同研究で高分子系(ABC星型共重合体とホモポリマーの混合系)において格子定数45nmの巨大ジンクブレンド構造が自己組織化されるという発見をMacromolecules誌の(Comunication to the Editor)において報告した。高分子系ではフォトニック結晶への応用が期待されるダイヤモンド類似の配列ナノ空間が形成されたのは世界で初めてで物質科学的に極めて重要な成果である。 また、そのZincblende構造おにびシミュレーションから期待される類似の交代Gyroid構造のフォトニックバンド計算(FDTD法)を行いバンドギャップの存在を確かめた。 この他に同じ高分子系(ABC星型共重合体)の格子モンテカルロシミュレーションを行い、成分比を系統的に変化させることによって,アルキメデス相と高分子準結晶が生成すること、それらの比熱の違いを報告した。また、分子電線への応用が考えられるコアーシェルシリンダーブラシ高分子のパール・ネックレス構造への不安定性を実験、モンテカルロ計算、自己無撞着場理論で議論した。 まとめると多元高分子による全く新しい配列ナノ空間構造を設計し、自己組織化を用いて構築することに成功した。このことは配列ナノ空間の物質科学を大きく押し進めたと言える。しかも理論的にフォトニック結晶への応用可能性も確認し、この研究目的に照らして初年度は十分な成果を上げたと言える。
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Research Products
(19 results)