2008 Fiscal Year Annual Research Report
新奇電子デバイスを目指した機能界面の作製と界面ドーピング技術の開発
Project/Area Number |
20047003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 勇男 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (20376487)
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Keywords | 抵抗スイッチング素子 / 金属酸化物 / 界面 |
Research Abstract |
金属電極-酸化物界面は、さまざまなデバイスにおいて常に議論されており、その理解と制御がデバイス特性を向上させる上で重要な課題となっている。強誘電体を用いたキャパシターやトランジスタでは、金属電極界面付近のdead layer(強誘電特性が失われた層)が議論の対象になっている。次世代不揮発性メモリーとして有望視されている、抵抗スイッチング素子においても、電極金属-酸化物界面の理解と制御の重要性が指摘されている。本研究では、特に抵抗スイッチング不揮発性メモリーの動作メカニズムの解明と制御を目指した金属電極一酸化物界面の研究を展開している。2008年度は、Al(上部電極層)/エピタキシャルPr_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3(金属酸化物絶縁層)/エピタキシャルLaNiO_3(下部電極層)3層構造を、レーザー分子線エピタキシー装置を用いてLaAlO_3(100)単結晶基板上に作製し、上部金属電極-酸化物界面における抵抗スイッチング現象発現のために必要なフォーミングプロセスの解明に成功した。このフォーミングプロセスで金属電極が酸化されて形成される界面酸化物層が抵抗スイッチング現象を引き起こしていることが明らかになった。さらに詳細な電流-電圧特性の測定・解析により、ショットキー接合に加えてこの界面層近傍での空間電荷制限電流が、高抵抗状態から低抵抗状態への抵抗スイッチング現象に深く関わっていることが明らかになった。
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