2008 Fiscal Year Annual Research Report
格子欠陥構造制御に基づく機能構成体の創製に関する研究
Project/Area Number |
20047010
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 篤智 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 講師 (20419675)
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Keywords | 圧電性 / セラミック / 電子線 / 応力集中 / その場観察 |
Research Abstract |
圧電セラミック材料の1つLiNbO_3の単結晶に対して、マイクロビッカース硬さ試験機を用いて機械的に応力負荷を行い圧電結晶内部に転位および結晶表面に欠陥を形成させるとともに、圧電結晶内にできた転位構造が電界に与える影響の評価も行うことを本研究の目的としている。まず、圧電材料中の内部ひずみによる電気的現象について調査を行うため,応力負荷状態でのその場SEM観察を行い、応力負荷による電場変化が電子線に与える影響を調べた。ビッカース圧痕が打ち込まれた試料に対して、SEM内で応力を負荷すると、ビッカース圧痕が分極方法に大きく伸びて観察される現象が確認された。これは荷重負荷に伴う圧痕近傍の局所的な応力集中によって表面近傍に大きな電場が発生し、SEMの結像に関わる電子線が分極方向に曲げられたためと考えられる。SEM像の変化は負荷応力の増大とともに増加することが確認された。また、これらの像変化の方向は、SEMの走査方向やスティグマ補正とは関係がなく、負荷荷重による応力集中の度合いと、加速電圧および照射電流量に依存することが確認されている.こうした現象は、圧電材料の機械→電気的作用を利用した新しい機能デバイス開発の可能性を示すものであり、今後の応用が期待されている。
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Research Products
(16 results)