2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブを直接合成したスピンデバイスの輸送特性
Project/Area Number |
20048001
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 明比古 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (70272458)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仕幸 英治 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (90377440)
|
Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 電子デバイス・機器 / スピンエレクトロニクス / 物性実験 |
Research Abstract |
本研究では、カーボンナノチューブを強磁性電極から直接成長させた電界効果トランジスタ(FET)を作製し、電場、磁場による伝導度制御を目的とした。カーボンナノチューブデバイスへの効率的な電荷注入、スピン注入の最適構造を明らかにし、π電子系デバイスへの設計指針を提案することが最終目標である。平成21年度は、1.カーボンナノチューブFETの動作原理の理解、2.磁気特性をデザインした強磁性電極FETの作製と輸送特性の理解、3.効率的なカーボンナノチューブ成長の最適条件の探索を目的とした。その結果、以下の成果を得た。 1. 作製したFET特性を詳細に調べることで、電極からカーボンナノチューブへのキャリア注入障壁が理想的なショットキーバリアであることを明らかにした。さらに、この障壁高さは低電圧印加で急激に減少し、それが低電圧動作FETの起源であることを明らかにした。 2. 強磁性電極の磁気特性を精密に制御するために、これまで用いていたCo/Mo複合電極からCoのみの電極に変更し、Coのみの電極からカーボンナノチューブを成長してFETを作製した。融点の低いCoのみを電極として用いたが、合成温度の低下など条件の最適化を行う事で、これに成功した。その結果、2つの電極の形状磁気異方性が異なり、保磁力が独立に制御されたFETの作製に成功した。また、作製したFETは、これまでと同様に、高いデバイス特性を示した。 3. カーボンなオンチューブの成長条件を変えることで、様々なモルフォロジーのカーボンナノチューブ成長に成功し目的・用途に合わせたカーボンナノチューブ合成技術を確立した。
|
Research Products
(16 results)