2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20049005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古藤 健司 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (50091351)
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Keywords | 圧力スイング吸着法 / 充填塔 / 水素同位体 / 同位体分離 / 合成ゼオライト / コンダクタンス / 低温吸着 / トリチウム回収 |
Research Abstract |
研究代表者は、DT核融合炉システムにおける水素同位体分離あるいはトリチウム増殖ブランケットからのトリチウム回収操作への応用を念頭にした新規プロセスとして、合成ゼオライト吸着剤を用いた低温圧力スイング吸着法(PSA法)を提案し、実用化実証に向けた研究を遂行している。本研究課題では、PSA法の特徴である減圧脱着操作における水素同位体の動力学特性を実験的に把握し、PSA法水素同位体回収・同位体分離プロセスシステムの設計・操作において重要となる脱着プロセスにおける水素同位体の動的挙動と同位体効果を明らかにしようとしている。 本年度は、吸着剤充填層内の水素同位体ガスの粘性流域から分子流域までの低温におけるコンダクタンスを実験により求めた。77.4Kに冷却されたアルミナ粒子充填塔と600L/minの排気容量のスクロール式真空ポンプとの閉鎖ループを主とする実験装置を用いて、充填塔入口出口間の差圧を観察することによってコンダクタンスを算出した。予備実験として、試験部充填層上部および下部に設置した銅ビーズ熱交換助走区間充填層および層端効果キャンセル用充填層のみの場合のブランク試験を行なった。水素および重水素のブランク充填塔内コンダクタンスについて、粘性流域から分子流域までの遷移過程での圧力依存性を把握した。また、同位体効果として、理論的に導かれる質量効果によって水素-重水素間のコンダクタンスの差異を説明できることを検証した。タイトメッシュのアルミナ粒子を用いた試験部充填層のコンダクタンスを、ブランク試験でのコンダクタンスを考慮して、層端効果を排除した特性として把握し、充填粒子径への依存性を定量的に解析中である。この充填層内の水素同位体の動力学的因子の特性を把握することによって、PSA法での減圧脱着操作における吸着剤充填層内の水素同位体の物質移動挙動を数値解析的に推測することができるようになる。
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Research Products
(13 results)