2008 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ対向壁近傍の不純物発光分布解析によるトリチウム・プラズマ壁相互作用の研究
Project/Area Number |
20049007
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Research Institution | Takuma National College of Technology |
Principal Investigator |
河田 純 Takuma National College of Technology, 情報工学科, 准教授 (20234073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川染 勇人 詫間電波工業高等専門学校, 情報工学科, 助教 (90391325)
西村 賢治 沼津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (90249798)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 計算物理 / モデル化 / 原子・分子物理 / 複合材料・物性 / 発光・分光 |
Research Abstract |
化学スパッタリングにより発生した炭化重水素分子から解離して生成されたCDおよびC_2分子からの発光強度分布を計算機シミュレーションにより求めて、それを実験結果と比較する。発光強度分布を用いる利点は、プラズマ-壁相互作用をリアルタイムに評価できることにある。これによりスパッタリング収率、炭化重水素および炭素の再堆積過程、炭化重水素不純物の輸送過程を解明することを目的とする。本年度は以下の事項を行った。(1)詫間電波工業高専に、新たに購入した計算機3台(Core 2 Quad)を設置して計算環境の構築を行った。(2)計算コードに新たに収集した励起速度係数を用いて、コロナモデルによる発光強度の計算部分を追加した。これによりバンドスペクトルの強度分布を求めることが可能となった。(3)計算コードのベンチマークを兼ねてJT-60Uでの実験結果とシミュレーション結果との比較を行った。比較において、発光強度分布のダイバーター板からの減衰が実験結果に比べてシミュレーション結果の方が早く減衰することが分かった。ただし、プラズマパラメーターに空間的な勾配を持たせておらず熱的力は作用しないとしてシミュレーションを行った。(4)(3)となった熱的力以外の要因を調べるために、プラズマパラメーターに対する発光強度分布の依存性を調べた。これによりプラズマ温度が10eVを越える場合、ダイバーター板から放出された炭化重水素分子はダイバーター板近傍(1mm以下)において素早くメタン系分子にまで解離することが分かった。また、プラズマ密度の変化にたいする発光強度分布の減衰長の評価から密度変化だけでは、即ち摩擦力の変化だけでは実験結果を再現することが出来ないことが分かった。
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