2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能質量分析装置を用いたJT-60Uの排気ガス分析
Project/Area Number |
20049009
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
林 孝夫 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究職 (70354652)
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Keywords | 質量分析 / JT-60U / 排気ガス / 高分解能 / トリチウム / グロー放電洗浄 / GDC / 水素同位体 |
Research Abstract |
重水素(D)とトリチウム(T)を用いたDT核融合炉において炉内に残留するトリチウム量を正確に評価し、その蓄積過程を解明することは燃料リサイクリング及び炉内残留トリチウム量管理の観点から重要な課題の1つである。大型トカマクである臨界プラズマ試験装置(JT-60U)では、燃料ガスとして重水素のみを用いたプラズマ放電を実施しておりJT-60Uの重水素挙動を調べることにより、DT核融合炉におけるDおよびTの挙動評価に資することができる。JT-60Uの真空排気系において、質量分析の分解能が高く分子状重水素ガス(D_2)とヘリウム(He)の弁別が可能な高分解能質量分析装置(QMS)を用いてD_2とHeとを弁別して質量分析を行い、ヘリウムグロー放電洗浄時に真空容器内から排気される重水素ガスを測定することにより、放電洗浄の効果を調べた。実際の洗浄放電における質量分析に先立って放電無しの状態でD_2およびHeを、それぞれ別々に真空容器内に噴射した時の真空容器内圧力と質量分析装置の出力とを比較することにより分析装置の較正を実施し、D_2およびHeが分別可能であることを確認した。またHe-GDC中は真空容器外部からHeを供給することにより容器内圧力は約0.27Paに維持されており、D_2分圧はHe分圧の1/700以下であるが、この圧力差においてもD_2およびHeを分別して測定可能であることを示した。 これらの成果を第25回核融合技術ジンポジウム(SOFT-25,Rostock,Germany)にて発表した。また中型トカマクであるASDEX Upgradeおよびプラズマ対向壁分析用加速器のあるMax-Planck-Institut fur Plasmaphysik(Garching,Germany)を訪問し、排気ガス分析を含めた水素同位体研究に関する調査および議論を行った。
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