2008 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ顕微鏡と蛍光相関分光法による生細胞界面の1分子ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
20050001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡嶋 孝治 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (70280998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 謙一 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 蛍光相関分光法 / 生細胞 / 人工脂質 / 1分子計測 |
Research Abstract |
FCSは、細胞膜界面の数μm領域のダイナミクスを測定できる。従って、AFMプローブはそれと同じサイズの力学挙動を測定することが望まれる。しかし、通常のAFMカンチレバー探針は先鋭化されているため、測定領域の定量性は十分ではない。そこで、本研究では、AFMカンチレバー探針に微小コロイド粒子を装着したAFMプローブを用いた。光学顕微鏡像を用いて、FCS集光位置とAFMプローブの位置を一致させ、FCSの蛍光強度自己相関関数とAFMフォースカーブの同期制御するシステムを開発した。細胞膜界面は非平坦な構造を有しているため、集光位置を自動制御するシステムを開発し、FCSおよび同位置のAFMの多点測定を可能とした。 FCSの自己相関関数測定には、ある程度の測定積算時間が必要とされる。従って、細胞膜界面の1分子ダイナミクス計測に適した蛍光分子と脂質分子の評価が重要である。測定の結果、FITCやAlexaのような有機蛍光分子に比べて、量子ドットは輝度の高さから短時間で自己相関関数を取得することができ、また退色の影響も無視できるため、本研究のような1分子ダイナミクスに優れた蛍光プローブであることが分かった。また、リン脂質と合成高分子からなる人工リン脂質は、細胞膜界面に長時間滞在する利点があるが、分子量が大きい高分子からなる脂質分子の拡散係数が、低分子量のそれに比べて極端に減少することが分かった。以上の結果を基に、FCSとAFMの1分子ダイナミクス計測に適したプローブを設計し、細胞膜界面のダイナミクスと力学との同位置測定を実現した。
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Research Products
(4 results)