2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20050018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤塚 守 Osaka University, 産業科学研究所, 准教授 (40282040)
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Keywords | エネルギー移動 / 電荷移動 / 高分子 / オリゴマー / ペリレンジイミド / 電荷非局在 / シクロファン / 電荷共鳴 |
Research Abstract |
高分子鎖はランダムな配向および運動をする不均一複雑系であり、また、励起エネルギーや電荷のマイグレーション過程は極めて高速であることから、その素過程の解明には超高速分光法を用いた検討が不可欠である。本研究ではフェムト秒領域での高分子鎖内の電荷非局在過程、さらに構造変化を検討する。 1、枝分かれ状共役系高分子オリゴマーの励起状態における高速過程の検討 truxeneは3個のfluoreneが重なり合った構造であることから、これを用いることで二次元枝分かれ状oligofluoreneが合成可能である。本研究では、fruoreneをtruxeneおよび異性体であるisotruxeneに結合した枝分かれ状分子の励起状態での共役経路および構造変化を検討した。TFnでは励起直後から数十ピコ秒で構造変化に起因するピークシフトが確認された。このシフトはfluorene-fluorene間のplanarizationを示すものでn=1では観察されなかった。 2、スタックしたクロモフォアの電荷非局在過程の解明 二つのベンゼン環がアルキル鎖によりface-to-face構造に固定されたシクロファンの非局在電荷の安定化エネルギーは、ベンゼン環間距離に大きく依存する。今年度は、電子受容性分子であるbenzothiadiazole (BTD)のシクロファン分子について、分子内ダイマーラジカルアニオンの安定性の検討を行った。この分子はBTDの方向によりsynとantiの二つの異性体が存在する。これらを還元するとsynは1380nm、antiにおいては2640nmに分子内ダイマーラジカルアニオン生成に起因する電荷共鳴帯が確認された。synにおいて分子内ダイマーラジカルアニオンが著しく安定化されることが示された。
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Research Products
(13 results)