2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子ゆらぎと熱ゆらぎを考慮した高次系生体分子クラスターの分子論的解明
Project/Area Number |
20050027
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
立川 仁典 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 教授 (00267410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 基之 日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究員 (40370407)
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Keywords | 水和機構 / 化学物理 / クラスター / 経路積分 / 生体分子 |
Research Abstract |
これまで我々は、より現実系に近い理論計算を実現するために、温度効果だけでなく水素原子核の量子揺らぎを考慮した多成分系分子理論を開発し、常温においても核の量子効果が重要であることを見出してきた。本課題においては、我々が展開してきた手法を駆使することにより、量子ゆらぎと熱ゆらぎを考慮した高次系生体分子水和クラスターを微視的に解明することを目的とする。 平成20年度は、経路積分分子動力学(PIMD)法を用いて、量子ゆらぎと熱ゆらぎを考慮した電子スペクトルを解析するためのプログラムの実装、およびその具体的計算を行った。テスト分子として、エチレン分子に適用した。基底状態、励起状態に対して、それぞれMP2/6-31+G^*、CIS(D)/6-31+G^*レベルで評価した。エチレンの平衡構造(D_<2h>対称性)では静的なab initio分子軌道計算から、許容遷移はB_<1u>(8.14eV、10.9eV、11.1eV)、B_<2u>(10.6eV)、B_<3u>(7.76eV、9.52eV)の6本が得られた。これに対して古典MD計算で熱的な寄与による幾何学的構造の揺らぎを考慮すると、分子振動によって大きく構造が歪んだだめ、電子スペクトルは線スペクトルではなく連続スペクトルとなった。さらに、量子ゆらぎをも考慮したab initio PIMD計算では、吸収帯がより広がり、実験で得られるような幅広のスペクトルを得ることができた。7.76eV(R状態、Π3s遷移)と8.14eV(V状態、ΠΠ*遷移)付近のピークに着目すると、平衡構造と、古典MD及びPIMD計算での強度の関係が逆転した。これは、C-C間の揺らぎによりΠΠ*遷移の分布が広がり、Π3s状態とΠΠ*状態が近接しながらともに低エネルギー側にシフトするためであることが解った。
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[Journal Article] Film Formation from Mixed Solutions of 1, 3, 5-Triazine-2, 4-dithione and Phosphate onto Au, Ag, and Cu Substrates2008
Author(s)
M. Yamamoto, M. Suzuki, M. Tachikawa, A. Fujishima, T. Miyazaki, H. Hisamitsu, K. Kojima, and Y. Kadoma
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Journal Title
J. Phys. Chem. C 112
Pages: 6914-6923
Peer Reviewed
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