2009 Fiscal Year Annual Research Report
時間分割共鳴ラマン分光法による二原子酸素添加酵素の構造ダイナミクス
Project/Area Number |
20050033
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城 宜嗣 The Institute of Physical and Chemical Research, 城生体金属科学研究室, 主任研究員 (70183051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 宏 , 城生体金属科学研究室, 専任研究員 (90344043)
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Keywords | 二原子酸素添加酵素 / トリプトファン代謝 / ヘム鉄 / 酸素分子 / インドールアミン / 共鳴ラマン分光 |
Research Abstract |
二原子酸素添加酵素(インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ/IDO、トリプトファン2,3ジオキシゲナーゼ/TDO)は、動物中のトリプトファン代謝において重要な機能を果たしている鉄含有酵素である。変異体調製と共鳴ラマン分光法を用いて、本酵素の構造ダイナミクスおよび活性中心の電子状態を基盤に明らかにすることにより、構造と機能の関連を議論した。成果は、以下の3点に要約できる。 1. IDOの2つのドメインをつなぐループは、酵素の活性中心近傍に存在しており、非常に柔軟な構造をとっている。そのループ上のいくつかの残基の変異体を作成し、活性、酵素反応、共鳴ラマンスペクトルの測定を行った。その結果、Ser263はループ構造を安定化しており、Gly261とAla264は酵素への基質(トリプトラァン)の結合において重要な機能を果たしていることを明らかにした。一方、Ala260とGly262は基質結合に関与していないが、IDOの酵素反応の特徴である基質阻害に関係あることを明らかにした。 2. IDO、酸素、基質をpH8、高濃度の基質で反応させることにより、鉄四価オキソ(Fe^<4+>=0)型の短寿命反応中間体が現れることを、共鳴ラマン分光法により明らかにした。この高酸化状態が、IDOの酵素反応において果たす役割は未解明であるが、真の反応中間体である可能性、基質阻害に関係する可能性が指摘されており、今後の議論が待たれる。 3. TDOへの基質結合に伴う共鳴ラマンスペクトルの変化を詳細に解析し、ホモ四量体であるTDOへの基質結合には協同性があることを見いだした。
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[Journal Article] Ligand Energy Controls the Heme-Fe Valence in Aqueous Myoglobins2009
Author(s)
Y.Harada, M.Taguchi, Y.Miyajima, T.Tokushima, Y.Horikawa, A.Chainani, Y.Shiro, Y.Senba, H.Ohashi, H.Fukuyama, S.Shin
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Journal Title
J.Phys.Soc.Jpn. 78
Pages: 044802-1-5
Peer Reviewed
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