2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子量が1億ダルトンに及ぶ生体超分子の構造解析を可能とするソフトウェアの開発
Project/Area Number |
20051001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40311518)
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Keywords | 生体超分子 / 自動精密化 / ソフトウェア / 構造解析 / アルゴリズム / Lafire |
Research Abstract |
本特定領域では, 分子量が1億Daに及ぶ超分子の構造解析が計画されている. 我々はその計画を実現するために, 分子量が1億Daに及ぶ超分子の精密化のすべてをコンピュータで自動化するソフトウェアsuper_LAFIREの開発を行ってきた. 平成20年度には, super_LAFIREを用いて, 本特定領域の班員の巨大分子Vaultの構造解析に協力し, 実際に巨大分子の精密化をしながら, 3.5Å以下の低分解能での巨大分子の精密化方法を検討し、分子量が1千万Daを超える巨大分子の精密な結晶構造解析に成功した. Vaultは分子量が100MDaを超え,本特定領域の月原教授のグループにより3.5Å分解能の回折能を持つ結晶を得て, 結晶の非対称単位中にラグビーボールの半分を形成する861残基の分子が39個(合計32955残基)存在する. その1分子は12個のドメインからなり, それぞれのドメインが39回のNCS対称関係を用いる. 月原教授のグループが位相計算に成功し, 部分(ドメイン)構造解析したモデルを用いて, マニュアルでVaultの部分構造の構築をした. これまで, Vaultのような巨大分子の精密化を通常のようにマニュアルフィッティングしながら行うのはほぼ不可能であった. そこで, super_LAFIREを用いて, 最終的に, 1分子につき812残基まで構築し, Rfree/R因子が33%/31%まで半自動的に精密化することができた.
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