2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20051007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 律 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80420248)
|
Keywords | 生物物理 / ナノバイオ / 分子機械 / 分子モニター |
Research Abstract |
真核生物鞭毛繊毛軸糸のダイニンには内腕ダイニンと外腕ダイニンが存在し、内腕は96nm、外腕は24nmの周期で配列しているが、それらの周期性がどのようにして発生するのかは、まだわかっていない。本研究では外腕の周期的配列の機構を探ることを第一の目的にし、その根元を微小管につなぎとめる複合体(Outer Dynein Arm Docking Complex ; ODA-DC)の構造と微小管との結合性を解析した。これまでの研究で3つのサブユニットのうち、微小管との結合に重要なDC1とDC2を培養細胞中で組換え体として共発現させると1 : 1の複合体を形成し、精製した複合体がin vitroで細胞質微小管上に24nm周期で結合することを明らかにした。今年度は、組み換えODA-DCの溶液中の状態を明らかにする目的で超遠心分析を行い、DC1とDC2がヘテロダイマーを形成していることを明らかにした。DC1, DC2ともにαへリックス長は20-30nmと予想されているので、DC1-DC2複合体がどのように結合して50nmの長さを持つのか興味深い。また、吉川雅英博士(京都大学)との共同研究により、細胞質微小管と結合したりODA-DCを電子線トモグラフィで解析する研究を開始した。まだ十分高分解能の画像は得られていないが、24nmごとの結合が確認されるとともに、その結合がこれまで考えていた単なる直線状のものではなく、微小管の周囲に巻き付くような様式である可能性がでてきた。今後、軸糸微小管上における存在様式とあわせて、詳細に検討する予定である。
|