2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡イメージング法によるイネ萎縮ウイルスの吸着、複製、輸送時の構造解析
Project/Area Number |
20051012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩崎 憲治 Osaka University, 蛋白質研究所, 准教授 (20342751)
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Keywords | イネ萎縮ウイルス / 電子線トモグラフィー / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
Rice Gall Dwarf Virus(RGDV)は、RDVと同じファイトレオウイルス属で大きさも構成タンパク質の種類も非常に類似している一方で、病徴等が異なり、RDVの研究には比較対象として大変役に立つ。故に我々は、本課題にRGDVの解析も研究対象として加えることにした。本年は、RGDV感染の昆虫細胞から作製したプラスチック切片の電子線トモグラフィーを行った。大村博士らが発見したように、太さ約25nmの微小管の周りに成熟した大きさのウイルス粒子が観察された。しかし、今回トモグラフィーのテータ(トモグラム)から新たに分かったことは、このウイルス間における微小管よりも細い繊維の存在である。あたかもワイルスどうしを結びつけているように存在していた。これらは、作製したトモグラムのスライス像をコンピュータ上で観察することで判明した。この繊維の同定や役割の解析は、計画班の大村博士らとの新たな共同研究の課題として浮上した。また、ミトコンドリア周辺のRGDVの集積機構解明のためにトモグラム像を調べたところ、ウイルス粒子とミトコンドリアの間には、間隙が存在することが分かった。本特定領域のシンポジウムにおいて、総括班の吉川博士らによるこの間隙におけるなんらかの因子の存在-ウイルス粒子をミトコンドリア外膜につなぎとめるーの確認を指摘して頂き、今後の課題となった。本課題で高分解能の構造解析を予定していたRDVのPns10チューブルは、RGDVでは、Pns11蛋白質に相当する。農研センターにおいてSf9細胞で発現させたPns11が、Pns10同様、チューブル構造をin vitroで形成することを確認し、クライオ電子顕微鏡による氷包埋像の観察を行い、三次元構造解析のためのデータ収集を始めた。
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Research Products
(9 results)