2008 Fiscal Year Annual Research Report
PAX6-SOX2-DNA複合体の塩基配列特異的な構造変化と遺伝子スイッチ機能
Project/Area Number |
20051014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 寿人 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (70127083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲池 雄介 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90263334)
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Keywords | 転写制御因子複合体 / エンハンサー / DNA結合ドメイン / SOX2 / PAX6 / 電子顕微鏡 / ネガティヴ染色 / 構造変化 |
Research Abstract |
転写制御因子複合体の塩基配列に選択的な結合によって、ゲノム中の特定の遺伝子が選別されて転写が活性化される。PAX6-SOX2が制御標的配列上で協同的に結合するときには、PAX6が塩基配列特異的に構造変化をし、SOX2とコンパクトな複合体を形成して、転写活性化能を発現できるようになる。PAX6力弐単独で強い結合をするいわゆるロンセンサス配列に結合すると、複合体としての転写活性可能を示さないが、クリスタリンエンハンサーDC5などコンセンサス配列から隔たった配列に結合してはじめて高い転写活性化能を示す。本研究では、PAX6の結合塩基配列に依存したPAX6-SOX2複合体の構造変化の実体を明らかにする。まず電子顕微鏡を用いた複合体のマクロな構造変化の解析から研究を出発して、順次解析の空間解像度を上げて研究をすすめる。 PAX6、SOX2の大腸菌の中での合成を試みたが、全長蛋白質は大腸菌内で分解されるために成功せず、PAX6、SOX2のDNA結合ドメインと2蛋白質の相互作用に必要な最小限の領域からなる蛋白質を合成して、これらの蛋白質とDNAとの結合状態を、ネガティヴ染色像として観察している。特にSOX2の標品を用いた場合に、DNAに依存しない凝集体の形成が認められたため、その凝集を緩和する条件を検討している。しかし、電子顕微鏡によるPAX6-SOX2複合体の構造変化の計測のためには、PAX6、SOX2の全長を用いることが望ましい。In vitroの蛋白質合成系を用いて、PAX6、SOX2の全長を合成する作業をあわせて進めている。 PAX6-SOX2複合体形成のための相互作用の核となる、DNA結合ドメイン近傍のアミノ酸配列を予測した。PAX6、SOX2のこれらのアミノ酸配列が具体的にどのような分子間相互作用に関与するのかを、3次元モデル構築によって検討している。
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