2008 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネル詳細構造解明に向けた単粒子解析技術の開発と複合体の構造解明
Project/Area Number |
20051028
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三尾 和弘 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 脳神経情報研究部門, 産総研特別研究員 (40470041)
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Keywords | タンパク質 / 3次元構造 / 電子顕微鏡 / ナノテクノロジー / 画像情報処理 / クライオ電顕 / イオンチャネル / 単粒子解析 |
Research Abstract |
1.約9万枚のクライオ電子顕微鏡粒子画像から3次元構造構築したP2×2受容体は、ATP受容体型チャネルとして痛覚等に関する情報を伝達する。我々は以前、負染色電顕画像を用いて2次元平均化による可視化に成功し、全体として花瓶の様な形であること、また上部平均画像の三回対称性から3量体構造であることを直接的に証明した(2005,BBRC)。今回の解折からはP2×2受容体は細胞膜を挟んだ上下に隙間の多い緩やかなサブユニット構造を持ち、イオンやATP分子の取り込み、排出等に役立つことが想定された。また細胞膜を貫通するポアと推定される部分には部分的狭窄が認められ、電気生理学的研究から推定される構造と一致した。軽い接触が激しい痛覚として感じられる異痛症や、通常の暖かさを暑さに感じてしまう遺伝病等の解明にも役立つことが期待される。2.嚢胞性線維症(CF:cystic fibrosis)は体内のあらゆる組織で粘膜分泌阻害を引き起こす重篤な遺伝病であり、特に白人幼児の死亡原因の第一位を占める。これはABCトランスポーターに属する陰イオンチャネルCFTR(cystic fibrosis transmembrane regulator)の遺伝子変化で発症する。我々は正常ヒトCFTRタンパク質の精製法を確立し、負染色電子顕微鏡単粒子解析から3次元構造を明らかにした。その結果CFTRは細胞膜直下に分子内外をつなぐ開口部を持つ、卵型の構造をした分子であることが示された(J.Biol.Chem.)。疾病原因解明のみならず正常な組織におけるCFTRの機能解明にも役立つことが期待される。3.その他、プロテアーゼ阻害を通じて癌の悪性化を抑えるRECKタンパク質や、CRACチャネルの本体として機能するORAI1チャネル(J.Biol.Chem.,印刷中)等の重要な膜タンパク質の構造解明を行った。
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Research Products
(13 results)