2008 Fiscal Year Annual Research Report
HIRA-ヒストン複合体の立体構造解析に基づいたヌクレオソーム構造変換機構の解明
Project/Area Number |
20051031
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
千田 俊哉 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, バイオメディシナル情報研究センター, 主任研究員 (30272868)
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Keywords | ヒストン / ヒストンシャペロン / ヌクレオソーム / 転写 / X線結晶構造解析 / 大量発現 / Rクロマチン構造変換 / HIRA |
Research Abstract |
真核細胞生物のゲノムDNAは、ヒストンとDNAにより構成されるヌクレオソーム構造を形成して折り畳まれており、転写などのDNA上で起こる反応は抑制されている。従って、生体内には遺伝子発現の要不要に応じて、特定の領域のヌクレオソーム構造を離合集散させる分子機構が存在するが、その分子機構の詳細は未だ不明である。本研究では、ヒストンシャペロンHIRAがCIAと協調的に機能するという知見に基づいてHIRA-ヒストン-CIA複合体の立体構造を明らかにし、クロマチン構造変換の分子機構のさらなる解明を目指す。HIRA-ヒストン-CIA複合体の立体構造を明らかにするにあたって、HIRA・ヒストン・CIAの精製蛋白質が大量に必要である。ヒストン及びCIA蛋白質については既に大量発現系が確立していたので、本年度はHIRA蛋白質の大量調製系の立ち上げに集中した。様々な大腸菌発現用ベクターを試みた結果、pCold系ベクターにHIRAを組み込んで発現を行なった場合に最も良好な発現が観察された。ここで得られた発現蛋白質については、現在、大量発現・大量精製を進めている。なお、HIRAは分子量が大きいことから、大腸菌での発現よりもバキュロウィルスでの発現が良好であることが想定されたが、実際には大腸菌による発現の方が良好な結果であった。次年度は精製したHIRA蛋白質を用いて、HIRA-ヒストン複合体またはHIRA-ヒストン-CIA複合体の結晶化、X線結晶構造解析に取り組む予定である。
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