2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20052003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小椋 利彦 Tohoku University, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)
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Keywords | 機械的刺激 / 細胞骨格 / 遺伝子発現 / 心臓 / miRNA |
Research Abstract |
これまでの研究から、ANF (atrial natriuretic factor、循環血液量の増大による心筋伸展などの機械的刺激によって発現誘導される利尿ホルモン) 遺伝子プロモーターの活性化には、Tbx5、MKL2の両者の存在が必要で、この時、数百倍の転写活性化がおこる。この転写活性化は、RhoAによるF-actinの変化でさらに増強し千倍を超えるようになる。MKL2は通常細胞質にあるが、血清、RhoA刺激によってアクチン骨格にリモデリングが起ると核内に移行し、転写活性化を起こす。興味深いことに、ゼブラフィッシュの心臓では、心筋の拍動が開始して2〜3時間後には核内に局在し、心拍を起こさないようにすると細胞質に残ったままになることがわかり、その機能の心拍依存性を確認できた。また、ANF活性化には他の転写因子の必要性も認められ、ANF遺伝子発現の詳細が解明できた。加えて、心拍依存的な機能、心拍依存的な発現をする因子の同定、単離を行ない、miR-21、miR-143を見出した。心拍を止めると2〜3時間でその発現は消え、薬剤を洗い流して心拍を再開させると2-3時間で発現が回復する。この新規の心拍依存性を解明するため、miR-21 promoterの解析を行ない、複数の転写因子の関与、MAPキナーゼ、canonical Wntシグナルの関与が特定できた。
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