2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム複合体を中心としたエピゲノムネットワークの解析
Project/Area Number |
20052009
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩間 厚志 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (70244126)
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Keywords | BRD1 / BRPF2 / Hbo1 / ヒストンアセチルビ酵素 / 赤芽球分化 |
Research Abstract |
BRD1(BRPF2)はクロマチン制御因子に多く認められる機能ドメイン(PHD-finger、BromodomainおよびPWWP domain)を有する核内蛋白質であることか照、クロマチンレベルでの遺伝子発現制御に関与する可能性が示唆された。そこで、我々はBrd1遺伝子欠損マウスを作成し、マウス個体での機能解析を行った。Brd1遺伝子欠損マウスは胎生中期(E13.5前後)に二次造血不全による貧血のため死亡する。卵黄嚢における一次造血は正常であるが、胎仔肝における二次造血細胞の著明な減少を認めた。胎仔肝では赤芽球分化の遅延が認められ、これが貧血の原因となっているものと考え照れた。Brd1のファミリー分子BRPF1がヒストンアセチル化酵素MOZと複合体を形成することが報告されたため、BRD1複合体を純化し質量分析を行ったところ、BRD1はMOZではなくヒストンアセチル化酵素Hbo1と複合体を形成することが明らかとなった。赤芽球細胞株を用いた実験では、BRD1の強制発現により赤芽球分化が促進される知見が得られるとともに、Hbo1のノックダウンにより赤芽球分化が遅延する所見が得られている。したがって、胎仔肝における赤芽球分化においてHbo1-BRD1複合体が赤芽球分化に重要な遺伝子発現に関連するものと考え照れる。TIF1βコンディショナルノックアウトマウスの解析については、造血における解析を中心に行っており、これまでにTIF1βを欠損すると造血幹細胞の維持に著明な障害が生じることを確認している。その障害の詳細に関して今後解析を進めていく予定である。
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